学生の頃は通学に一時間半掛かっていたので、とにかく図書館で借りた本を読みまくってました。
社会人になったら通勤時間の方が短くなったので、代わりにポッドキャストを聞き始めて、今はradikoです。
ポッドキャスト聞くことは激減したものの、「ウェブメディア×編集力×文章力 Podcast 編集したい系の僕らに」は気に入って聞いてます。
もくじ
「編集したい系の僕らに」の2018/10/10配信分
まずは番組のご紹介です。
この音声番組では、ともに編集者・ライターであるパーソナリティ2人が、仕事や人生をよりよく編集するヒントを探ります。「ウェブメディアの記事」をピックアップしたり、編集者や作家の著書から学んだりしていきます。
出典:noteの番組ページ(https://note.mu/hasex/m/m66009a637547)
番組を聞き始めたきっかけは忘れてしまいましたが、気に入った理由はこんな感じです。
- 長谷川さんの声と語り口が好みで、次を聞きたくさせる
- 鬼頭さんの名前が嫁さんと同じ
- その鬼頭さんの口調が好き。宝塚歌劇への熱量が凄すぎてちょっと引く(^^;)(#26→リンクから聞けます)
- 文章書くのが好きなので、取り上げてるジャンルに興味あり
配信されたら毎回聞いてますし、ダウンロードした過去配信を聞くことも良くあります。
ただ、最近はお忙しいのか更新が止まっていて、待ち遠しいなあ…って感じです。
今日のテーマは、一番最近に公開された2018年10月10日配信分。
この日は2か月振りの更新で1時間ほどの長編。その最後の話題にすごく「引っ掛かり」ました。
引っ掛かったので、やってみました
グラレコ/スケッチノートをやり始めて、一年が過ぎました。
板書好きの血が騒いで、
「書き残さないと消滅してしまう音声」
「目にされてもなかなか読んでもらえないであろう文章」
を描いて可視化する、グラフィックとして形に残ることに楽しみを感じています。
ただ、回数を重ねるごとに”ただ描く=グラフィックを残す”だけで良いのか?と疑問を感じていたのも事実。
そんな私にとって、ヒントと言うか「こんな考え方もあるよね」と気付かせてもらえた内容でした。
特に、お話の中で出て来た、1つの元情報(インタビューとかセミナーとか)を、
「図解」
↓
「要約」
↓
「全文」
↓
「音声/動画」
と段階的にコンテンツ化して、”1粒で4度おいしい”がどうしても頭から離れなかったので、自分でやってみました。
ポッドキャストのラスト10分が最終的に行きつく音声ですね。
今回は手前の3ステップである、全文・要約・図解を作りました。
この記事の最後に順番に載せているので、お時間あれば順に見てもらえると嬉しいです(≧▽≦)
「引っ掛かり」の正体
もう少しだけ私の話にお付き合いください。
このポッドキャストを聞いた当時は、 ”1粒で4度おいしい”を文字通り
一つのネタでコンテンツが4つも作れたら、差別化できるしブログの記事数も稼げるじゃない(^^)イエーイ
って位の感覚で印象に残ってました。
全文・要約・図解を作ってブログの記事にしよう、って構想は出来てたものの放置で半年以上経過(^^;)
ようやくこの記事に取り掛かった頃、このあとご紹介する3つのツイートを立て続けに見て、自分が「引っ掛かった」のはもっと違うところにあったんじゃないかと思い始めました。
1つ目:清水淳子さんのnote「最近よくあるグラフィックレコーディングへの誤解の考察。」>
無料だし、方法も簡単なので、ついつい何でもアップしたくなる気持ちもわかる。だけどSNSにアップして何か効果を狙うならば、しっかりプランニングする必要がある。描いたグラフィックレコードだけをアップしても参加者以外に文脈は伝わらない。また「グラフィックレコーディングをしました!」という事実が、「何か面白いことをした!」という記号になっているとしたらもっと危うい。
出典: 「最近よくあるグラフィックレコーディングへの誤解の考察。」 ( https://note.mu/4mimimizu/n/n312e7ad0e642 )
全文は1万文字超の書き物なので、引用したのはわずかな部分です。
教科書、と呼ぶと堅苦しくなりますが、上っ面の技術論や良いところだけでなく、副作用・負の部分も含めて網羅されています。
グラレコ楽しそうだな♪って思ってる初心者さんが読むと怖くなってしまう恐れがあるので、少し人前で描いた経験のある人向けかと思います。
って言うか、グラレコしたことある人には一度は読んでもらいたい、読むべき、と感じました。
ご本人が書かれている通り、これが正しい!と論破するための書き物では無いです。
ただ、こんなに深く・広く・熱量を持って考察されていて、しかもそれを文章化されたものに出会えることってまあ無いですよ。
なので、自分なりの答えを探す・考えるキッカケとしても読むべきかと思います。
で、本題に戻って、引用した箇所で一番唸らされたのは『描いたグラフィックレコードだけをアップしても参加者以外に文脈は伝わらない 』ですね。
後は『また「グラフィックレコーディングをしました!」という事実が、「何か面白いことをした!」という記号になっているとしたらもっと危うい。』
自分がグラレコって活動やってますよ!と宣伝する意図もあってシェアしてるので、この側面を狙っているのも事実。
でも、グラレコが”客寄せパンダ”な劇薬になっちゃうことを助長してしまっているのでは…と耳が痛い(>_<)
2つ目: くぼみさんのnote「グラレコのヒミツ:本当にシェアして大丈夫?SNS活用の注意点」
グラフィックレコーディングの内容は、あくまでも「借り物」です。グラフィックレコーダーの「解釈」が入る前提があるとしても、登壇者が「自分の意見が歪曲されている」と感じることも十分に考えられます。一度インターネットに広まってしまったものをあとから回収することは難しいでしょう。公開後にトラブルにならないよう、公開前に登壇者本人に内容を確認してもらうのが安全でしょう。
出典:「グラレコのヒミツ:本当にシェアして大丈夫?SNS活用の注意点」( https://note.mu/kuboasa/n/n33c86dd51224 )
こちらは冒頭の一文『 グラフィックレコーディングの内容は、あくまでも「借り物」です。 』ですね。
そう。可視化はしていますが、何も生みだしちゃあいないんです。
要約の過程で言葉を入れ替えたりすることはあるものの、「引き算」はしても「足し算」はしちゃあいけない。
ここは意識するようにしてて、あくまで私がやってることは「転記」にすぎない、と思ってます。
「0→1にすること」が不得意な私が、グラレコに違和感なく取り組めているのはこの辺に理由があるのかも知れません。
シェアに関して特化した内容で、意識されている方からすると当たり前でしょ!って言われそう(/ω\)ですが、改めて気付く点が詰まってました。
3つ目: 伊藤亜紗さんによる「多様な手と足のアーカイブ」を紹介する清水さんのツイート
伊藤亜紗による、手と足の多様性をめぐるリサーチ・プロジェクトの成果を公開するサイトです。主に生まれつき手足に欠損や麻痺がある方や、病気や事故で四肢を切断した方が、自分の手や足とどのように付き合っているのかをインタビューし、アーカイブしていきます。リサーチに協力してくださる方も随時募集しています。
出典: 「多様な手と足のアーカイブ」( https://phantom.asaito.com/)
1つ目でご紹介した清水さんが、このプロジェクトでグラフィックレコーディングで可視化するサポートをされています。
このサイトを紹介する際の清水さんのツイートに目が留まりました。
「その場にいなかった人にも内容を共有するツール」として使うなら、例えば、こんな感じ。研究者 伊藤亜紗さんが、しっかりとインタビューを文字起こししたものと、私の解釈と編集が含まれるグラフィックレコード。2つをセットでアーカイブとして公開としている。
出典:清水さんのツイート( https://twitter.com/4mimimizu/status/1103323445843116032 )
1つ目で引用した『描いたグラフィックレコードだけをアップしても参加者以外に文脈は伝わらない 』に対する一つの解であり、私が「引っ掛かった」ことに気付くキッカケにもなりました。
気付きが凝縮されていて、何度読み返したか分かりません。
- グラレコは速記録では無いので、当然「話し手」の言葉は全部記録されませんし、できませんね。
- 文字じゃなく絵やイラスト・図を使うことも多いので、伝わったか否かは「聞き手」の読解力に委ねる(行間を読む的な)部分が大きいですね。
- そもそも「描き手」が聞いたことを、脳を通って再構成して描く手法なので、「話し手が発信したこと」に対する精度は落ちますし、改変されてる可能性もありますね。
グラレコの危うさ・危険性を挙げて「先に言っておきましたからね!」と独り言を言って、自衛・保身に走ってるようですが、どうしようも無い事実です。
自分でもやってしまっているので”お前が言うな”的なブーメランになってしまいますが、『描いたグラフィックレコードだけをアップ』は何か違和感があるんですよ。
けども、シェアはしたい(>_<)
妥協点として、Facebookやブログには文章を書き足した上で載せてたんですけど、やはり違和感は残ります。
究極の答えが、先ほどの2つ目や今回やったような「原文ママ」や「元の音声/動画」を、グラフィックと一緒に提供する。
それにより、グラフィックから「元情報」を確認できる手段も「読み手」に与えることができる。
これって、データの圧縮⇔展開(解凍)と似た話ですね。
どっかで同じような話を書いたな…(゜.゜)、と思ったら自分で書いてました。
グラレコデビュー戦の時の感想を描いた記事です。
こちら→「伝える」ための手段としてグラレコは良いですね
元情報を「圧縮」したものがグラフィックだけど、グラフィックから元情報は完全に再現できないので「非可逆圧縮」です。
でも、それだけだと危険性があるので、グラフィックから元情報に触れることが出来るように一緒に提供することで、疑似的に「可逆圧縮」にする。
当時描いた絵も再度載せてみます。
(ああ誤字が…”講演会行ったら”です)
ちなみに、Wikipediaのページです。
●可逆圧縮 :https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E9%80%86%E5%9C%A7%E7%B8%AE
●非可逆圧縮 :https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%8F%AF%E9%80%86%E5%9C%A7%E7%B8%AE
要約⇒図解⇒全文⇒元の音声
ああ、すっきりした(⌒∇⌒)
…で終わることが出来たら良いのですが、実際にはこんな手間の掛かることを毎回やってられません。
今回のわずか10分ほどでも懲りました(^^;)
だとすると、今やってるような文章で補足説明したりすることしか出来ないのかな、が今のところの着地点です。
長々と書いてそんな結論かよ!(〃’д’)o_彡ってセルフ突っ込みしますが、「”ええ塩梅”を探す」ことも「描く技術の向上」と合わせて今後の課題ですね。
では、前半にお約束した ”1粒で4度おいしい”です。
並べてみると、要約と図解はポッドキャストの順番と逆にした方がしっくり来たので入れ替えてます。
ステップ1:要約
ポッドキャスト聞きながら描いたスケッチノートです。
《2019/5/6 訂正》1ページ目、テーマすぐ下のサイト名に誤りがありました。
ステップ2:図解
実際には、要約のスケッチノート と 全文書き起こしの後に作りました。
《2019/5/6 訂正》一番上、”機材”の例で挙げたサイト名に誤りがありました。
《2019/5/6 追記》
例に挙がっているサイトはこちらです。
●北欧、暮らしの道具店 → https://hokuohkurashi.com/
●NewsPicks → https://premium.newspicks.com
ステップ3:全文
ポッドキャスト聞きながら書き起こししました。
ステップ4:元の音声
ポッドキャストですね。当該配信のnoteへのリンクを貼っておきます。
ちなみに、46分50秒付近から今回取り上げたお話は始まります。
なお、ブラウザ上のプレーヤーでは再生位置が変えられないようなので、ダウンロードしたMP3ファイルを操作すると聞きやすかったです。
こちら→
https://note.mu/kayokitoh/n/na8b30c496f07?magazine_key=m66009a637547
作業としては大変でしたが、頭で考えていたことを手を動かすことで実感出来たり、外からの気付きを与えてもらったことで頭の中が整理できました(^▽^)/