グラレコを始めて2年とちょっとが経ちました。
ご縁のおかげで、ある程度の物量のグラフィックを描かせてもらって、「また描こう!」(^^)/ と思う原動力になるお声をいただけてるので「描く」ことは、自分なりの形が出来て来たかな、と思ってます。
が、「聴く」となると…どうなんでしょう。
「聴けたこと」はまだまだ修行中とはいえ、まあまあ描けてると自己評価。(甘い?)
でも、お話されたうち「どれだけ聴けたか」はイマイチ自信が無いのと、そもそも速記のように「全部描く」が正解じゃないので難しいところです。
と思ってたところに、ドンピシャ・ど真ん中を打ち抜く講座があったので、飛び付いて参加して参りました。
Facebookのイベントページはこちらです。
↓
https://www.facebook.com/events/265997621273184
もくじ
参加しようと思ったキッカケ
グラレコに限ったことじゃなく、何でもそうだと思いますが、
「上手い人の真似をする」
「上手い人に近づいて吸収する」
が、上達ももちろん、やる気を上げる近道では無いですかね。
グラレコ界隈でもたくさん描いてる方が居ます。
でも流派と言うか、描き方…グラフィックの組み上げ方、は千差万別です。
生業として活躍されている方のグラフィックが万人受けする、って訳でも無く、全く無名の方のグラフィックに目を奪われることも日常です。
まあ、分析も分類もして無いので「直感」なので、言ってみりゃあ「好み」ですけどね(^^;)
その好み、で頭に浮かぶのはお2人。
まず、えがこう!のえんま先生、日高さん。
https://egakou.com/gr
ほんとにグラレコ始めた初期に丸一日の講座に参加させてもらいました。
基礎を教えてもらったのはもちろんですが、グラフィックがクリアなのですね。
混じりけが無い、澱みがない、って言うんでしょうか。クッキリハッキリ。
講座に参加した時の記事です。
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2018/04/21 えがこう!地獄のお絵描き道場 「できる仕事人は絵が描ける!」@大阪に参加してきました!
描き手になって分かりますが、ペンを持って描く瞬間に迷いが有ったらあの感じは出ません。
合ってる/間違ってるって次元ではなく、「私はこう描く」って意思を感じます。
主語が「私」であるグラフィック、と言うと主観が入ってるように聞こえてしまいますが、そうではなくて「五感からのインプット」を描き手である私が「取捨選択してアウトプット」する、そんな整理整頓されたグラフィックだなと思って見させてもらってます。見習って描きたいな、と。
2人目はイラストレーターの吉田さん。
https://www.facebook.com/yuukoillust/
こちらもグラレコ始めた初期の頃に、日高さん情報でお客として参加したEdcampOsakaの1つ目のセッションで見て、衝撃受けたんですよ。
そのEdcampに参加した時の記事です。
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2018/06/24 Edcamp AZ in Osakaに行ってきました!
このクオリティのグラフィックが、目の前で描かれて行くんですよ。初めてリアルタイムで描くところを見て、話そっちのけでガン見してた覚えがあります。
議事録的にその場にも居ない人にも内容が共有できる、が私の目指してるグラレコなので、この情報量はぜひとも近づきたい。
後はイラスト。本業の方に追いつくのは無理なので諦めるにしても、要所要所のイラストはパクリまくりです(;^_^A
何と言っても、人に見せた時にまずは描いたグラフィックに「目を止めて」くれないと、中身が良くてもどうしようも無いので、その意味では目を引く描き方はすごいです。
グラレコやイラストの講座を一般向けだけじゃなく、学生さん向けにも開催されていますが、講座を本格的に始められる前に、個人的に押し掛けて教えてもらったのはいい思い出です。
そして、3人目は最近出会いました。
先日初めてオンライングラレコした、生き博KANSAIでグラレコチームで一緒だった外崎さん。
生き博KANSAIの記事です。
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2020/06/08,12,13 生き博KANSAIでオンライングラレコしました!
記事の一番最後に、各セッションのグラフィックへのリンクを貼ってます。その中の1,6,9が外崎さん作ですが、もう6とかグラレコチーム内で共有してもらったのを何度見たか分かりません。描いた後に仕上げているので、全てリアルタイムじゃないにしても、何でしょうね。
デザインされたポスターって感じでしょうか。
色使いとか文字の感じも含めて、トータルでバランスが取られているって感じです。グイグイ向こうから来ないんだけども目を引くし、読んだら十分な情報量が詰まってる。同じイベントで描いてて悔しいなあ、って感じるくらいでした。
その外崎さんが運営に入っていて、自分自身がモヤモヤしている「聴く」がテーマの講座。受ける、の一択でしょう、とチケットを購入しました。
描く・知る・聴く・実践するが詰まった2時間
講座のメニューはこちら。
・チェックイン
・グラフィックになれる準備運動
・そもそもグラレコって
・「聴く」技術編
・ペアインタビュー
・Q&A
・チェックアウト
一方的にお話を聞くだけでなく、程よく手を動かしたり・聴いたり・話したりとあっという間の2時間でした。
準備するものに紙とペンと書いてあって、最近iPadばかりだからなあ・・・と素直にA4用紙とプロッキーを引っ張り出して来て待機です。
講座の中身は書けませんが、私があーそうねそうね(゜o゜)と噛みしめたところを抜粋してみます。
グラフィックを描いてる時、何をしているか?
まずはタオルマンこと、肥後さんのパートから。
グラフィックを描いてる時は、耳で聴いた言葉が、頭に入って、手で描く。
まあよく聞く話ですが、真ん中の頭の中でやる作業を「編む」と表現されてました。
あ・む【編む】 の解説
https://dictionary.goo.ne.jp/word/編む/
[動マ五(四)]
1 糸・竹・籐 (とう) ・針金・髪などを互い違いに組み合わせて、一つの形に作り上げる。そのようにして、ある物を作り上げる。「藺草 (いぐさ) でござを―・む」「髪をお下げに―・む」
2 いろいろの文章を集めて書物を作る。編集する。「論文集を―・む」
3 計画を組み立てる。編成する。「日程表を―・む」
上手いこと言うなあー、
さすがタオル巻いてるだけはあるなあー、
詩人だわー、
としばらく唸ってました。
グラレコを編集…なんて考えたこと無かったですが、確かに編集作業ですね。
耳から入って来た言葉たちを単純に転記するだけじゃなくて、配置・構成・配色を考えてこれで行く!と即決。
雑誌や本の編集長みたいな感じでしょうか。
全部描けない、で良いんだって安心感
続いて、外崎さんのパートから。
まずは、全部描こうと思わない。
講座行ったり、実際に描いてると聞きますし、実感します。
「捨てる勇気」って言葉もよく聞きますね。
でもね、
描いたことない人は「全部描けないー」と出来ない理由に挙げて、
描いたことある人は「全然拾えなかったー」と出来なかったと落ち込む理由に挙げるんです。
それくらい、みんなを悩ませて惑わせるんですね。
そんな中、全部描ける訳はないでしょ、何故ならね…と、改めて言ってもらったことで安心出来たのと、とてもスライドの絵が良かったんです。
転載禁止だから載せられないので、私の走り描きで代用です。
何か、そりゃそうだよね。人間だもの。と安心できたスライドでした。
1つ目の「編む」とこのスライドで、十分今日参加した元は取ったな、って感じでした(^▽^)
「聴く」技術は「話を取らない」技術かな
最後の振り返りでブレイクアウトルームに分かれた時に、私が思った感想です。
自画自賛かよ、って感じですが(^^;)
相手が発した言葉を聴き取る、受け取る行為としての「聴く」ももちろん大事です。
ただ、相手が言葉を発してくれないと、受け取りようがありません。
そうなると、「言葉を発してもらうためには…」がポイントになります。
私なりの答えは
「この人は私の話を最後まで聴いてくれる」
って関係性です。
その関係性を作るための一つが「話を取らない」。
どうしても人って自分が喋りたくなるし、人の話を取って自分の話を始めたくなっちゃう。
でも、そんな横取りする人に向けて話そうと思います?
思いませんよねえ。
また話を取られるんじゃないか、と身構えて何も言わなくなるでしょうね。
そうなったら「聴く」ものが無くなってしまって無音になっちゃいます。
「グラレコしながら自分語りする人」は居ないでしょうから、ちょっと本筋からは外れた答えかも知れませんが、そんなことを考えました。
その観点では、今回の講座でも使ったZOOMなどのオンライン会議のツールは、自然と
「話がぶつからないように一人の話を聴く」
ようになるので、案外「聴く」には適したツールなのかも知れませんね。
延長戦でもパワーワードがいっぱい
本編が終わってからも、残ったメンバーで小一時間質疑応答を続けていました。
その中でも唸るパワーワードがいくつも出てきましたね。
話したことを描いて、目に見えるように「可視化」する。
グラレコを気に掛けたことのある人は、何度も接する言葉ですね。
ここで出て来たのは、その一段階前です。
頭の中にあることを話して、耳で聴けるように「可聴化」する。
少し前に書いた、「聴く」ための言葉を発してもらうには、に通じるものがありますね。
「可聴化」するために「聴く」技術を磨く。
上手いこと言おうとし過ぎて、何言ってるか分からなくなったパターンですね(^-^;
タオルマンから出たワードです。
俳句のように、どんどん言葉を削ぎ落として必要最低限の言葉だけにしたようなグラフィック。
対して、小説のように場面を想起させたり、共感できるように感情を表現したり、情報をたくさん含ませたグラフィック。
どっちが良い、悪い、ってそんな狭い視野の話じゃないですね。
それにしても、上手いこと言いますねえ(゜o゜)
シンプルにするのが良い。
分かりにくさを排除して、分かりやすくするのが良い。
・・・本当?って話です。
グラレコや要約、まとめ的なもの、イコール、分かりやすくするもの。
分かりやすくすることに価値がある、的に見られますよね。
それは違いますねえ。
「分かりにくいこと」を「分かりやすいこと」として描いたら、それは事実を曲げてます。
「分かりにくいこと」はどこまで行ってもやっぱり「分かりにくいこと」なんです。
その「分かりにくいこと」を、「ああー、だから分かりにくいんだね」と、「分かりにくさを納得」してもらえるように描くって感じでしょうか。
以前から自分が考えていたことが話題に出て、そうそう!と興奮気味になっていたのですが、何だか一番まとまりの無い文章になってしまいました(^◇^;)
いつもなら、セミナーを受ける時は練習のためにグラレコするんですよ。
でも、今日の講座はなーんか違うな、と思って気になることは書き留めましたが、純粋に参加者として楽しみました。
そんな講座をリアルタイムで描かれていた石橋さん。
延長戦の質疑応答で、
グラレコしてみたけどポツポツと点在するだけで、まとまりが無い感じになるのはどうしたら良いでしょうか?
って質問に対する回答で、
初めにこんな感じで描こう、って枠組みを決めて描く
と言われてて、へえー、と興味津々。
今日のグラフィックは、冒頭にタオルマンが示した、今日の講座の流れをV字で示した図をイメージして描きました、と。
左上のスタートから右下へどんどん深く掘り下げて行って、中央の一番底から右上のゴールに向けてまた上昇していく、って図が冒頭で示されたもの。
で、グラフィックを改めて見たら、確かにその流れになってます。
そうそう。確かに全体に四角形じゃなくて、左下・上・右下に余白あるなあ、って思ったんですよ。
そしたら
「視覚を誘導するんですよ」
とおっしゃるでは無いですか。
ああー
確かに講座の各パートの見出しを上手くV字のライン上に乗るように配置して、その見出しを目立つ色で着色することで「視覚」が「誘導」されてる!!
間違いなく私の目は誘導された!
うわ!神か!!
ミュートにして、ああー!ってめっちゃ1人で唸ってました( ̄▽ ̄;)
枠組みを決めて描く、かあ・・・と思ってたところに、たまたま読んでた本に同じような話が書いてあってビックリしたので、引用します。
時間やフォーマットが制限されていることで、かえって枝葉末節が省略されて、本質的な気づきだけに集中できるのである。
直感と論理をつなぐ思考法 204ページ
(略)
「フォーマットをまず決めてしまう」ことは、再構築におけるいちばんのコツなのである。
レイアウトとデザイン
講座を受けて、初めに描いた外崎さんのグラフィックに何故釘付けになったのか、の答え合わせができた気がします。
自画自賛、自意識過剰な言い方になりますが、説明の都合上言い切ります。
情報を整理整頓して見やすくする「レイアウトされたグラフィック」は描ける自信ありますし、私のグラフィックを評価いただいているのは、その点だと感じてます。
ただ、視覚で誘導するような、ポスターのような「デザインされたグラフィック」は描きたいけど、描けない、と無意識に思っていたのでしょう。
そんなところに、その無意識を意識させてくれるグラフィックが目の前に出て来たら、そりゃ衝撃受けますね。うん。そういうことですね。
ほんまに描けないのかな。
そこに気を回そうとしてない、注意を割こうとしてない、が正しいのかも知れません。(「じゃあ描いてみろよ」とのツッコミは無しで(^^;))
ファシリテーションしながら描くと、描くことに意識を100%注げないから嫌だ、だからあくまでグラフィックレコーダー「が」良いんだ、って前に叫んだことを思い出しました。
記事の最後の最後でそんなこと書いてます。
↓
2019/06/23 Edcamp ’19 in Osaka でグラレコしてきました!
何かそれと同じなのかも知れません。
毎度毎度同じように、二段組や三段組で板書みたいに
左上からまっすぐ下まで描いたら
右隣の上に戻ってまた下まで描いたら
また右隣の上に戻ってで右下で終わり
みたいに描く骨組みで良いじゃない、
デザインを気にするよりは、情報の濃度を上げるために描き留めるんだ
ってことに自分自身がこだわってるのかも知れません。
そんなことを考えさせてくれた、とても充実した時間でした。