読書感想絵#004「ここはウォーターフォール市、アジャイル町」

今回読んだのは
沢渡あまね+新井剛著
「ここはウォーターフォール市、アジャイル町」

です。

製造業の会社で、社内で使うシステムの面倒をみている身としては、
 アジャイルってよく耳にするけどねえー
 フットワークの軽い会社なら使えるんだろうけど・・・

程度の知識しか無く、でも興味があるわあ、って感じ。

そこに、目を引くこのタイトル∑(゚Д゚)
買ってみようかしらー、と思ってたところに飛び込んできたこの企画
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と言うことで、今回もまずは絵です。

「ここはウォーターフォール市、アジャイル町」の読書感想絵

今までは、
 気になったフレーズを引用して絵で補足
する書き方にしてましたが、今回は気になる箇所が多過ぎて入らない(^◇^;)

なので、感想をいくつかのグループに分けてイラストでまとめてみました。


全体的な感想の絵

p272 書店の技術書コーナーを見渡しても、(略)ライトなものは見当たらない。それが、私のようなウォーターフォールの住人にとって、アジャイルをますます「どこか遠い星のおとぎ話」にしてしまう。

普段はウォーターフォールにまみれた仕事をしております。

本書の中に出てくるような超ベタな情シスの人ですが、アジャイルに対する誤解だらけでお恥ずかしい限り・・・

その中でも引用した
 「どこか遠い星のおとぎ話」
はリアルにそう。
雑誌やネット記事の中に出てくる話、くらい全く現実感がないのです。

と言う私が読んで、認識はずいぶん改めることができました。私の頭の中は。
けど、まさに次で書いたような職場ですからねえ。さてどうしたものか・・・。


共感しかないっ(笑)の絵

p17 第1章 無力感

p23 「…何を言ってもムダですから」「何1つ変わりません。何1つ…」

p148 社員満足度調査でダントツの最下位になってしまった情報システム部。(略)コミュニケーションがギクシャクしていて、うまく回っていないことが要因でしょう。

冒頭から何だか読むのが疲れるというか、ノンフィクションですね、これは(^○^)

うちは、開発と運用が分離できてないグダグダ感がさらに上乗せされてますが、基本はうなづくところばかり。

この状況なので、アジャイルって聞いても「どこか遠い星のおとぎ話」にしか感じないのですよねえ。


アジャイル誤解してました の図

p29 アジャイルはWeb業界やスマホアプリなどの新規プロジェクトにしか向かないという思い込み、または、アジャイルは単なる開発方法論だという認識があるのかもしれません。

p32 アジャイルだからドキュメントは書かないと思っている人がいたら、それは間違いなのです。

p34 目標の段階に合わせて強弱を変えながら、組み合わせて活用していくのでも構いません。(略)最短でビジネスのゴールに到達できるように、よいところを共存させましょう。

p36 重要なのは、アジャイルをする(DoAgile)のではなく、アジャイルになる(Be Agile)ことです。つまり、アジャイルとは「あり方」なのです。

まさにまさに。
前半2つなんて、ガッチガチにそう思ってましたよ。

身近で見たアジャイルが、大きな開発案件で異国の開発ベンダーと組んだのだったで、余計にそう思っちゃったのかも。

「あり方」…このキーワード、ちょくちょく見ますが難しいですね。
DoじゃなくてBeだ!

すごく柔軟性があるんだな、ってのは分かるものの初心者には「これやっとけ」的なのが無いのが辛い…。


走れ、じゃ人は動かない。まずは伴走、それから併走。 の絵

p58 「単なる伝書鳩ではダメだ」「何か新しいことを始めるときは、自分の言葉で意義やメリットを語れないと」

p58 一緒に問題を解決するために事に当たる姿勢が大事になります。そして、現場の作業がまずラクになるようになることから始めるのもコツです。

p105 全工程を一緒に経験してみましょう。全体像やゴールがわからないまま進めるのは不安なので、ゴールまで導いてあげます。(略)終了までを体験してください。そうすれば不安が払拭され、成功事例となります。

p190 「あなたたち」のお手並み拝見では困る。その姿勢が、皆を無責任にしてきた。「私たち」で解決するのだ。

組織のつくり方、なので、当然人の動かし方、は出てきますね。
ココは反面教師的に良く分かります。

<自分の言葉で語れないと>
上の方から落ちてきた方針とか指示がそのまま流れてくると、
 お前絶対分かってないやろ、理解してないやろ、バケツリレーやろ
と、直感的に分かりますからね。
そしてやる気ゲージが一気にゼロになる(^◇^;)

<一緒に問題を解決するために事に当たる姿勢>
人参を目の前にぶら下げてくれ、とまでは言いませんが、やる事が増えるんだから
 せめてやる上でのメリットを考えたフリでもしてくれよ
と、よく思います。

サラリーマンなので、問答無用でやらないといけないことがあることくらいは知ってますが、
 何かメリットが出るように考えたけど、無理だった・・・

 ハイハイ、上から言われたのでこれやってねー
では雲泥の差です。

考えようとする
=考えるための土台になる知識が必要
=我々がやってることを理解せざるを得ない
だけでも末端の兵隊の意識はずいぶん変わるんですけどねえー

<全工程を一緒に経験>
文句を言いながらも、じゃあやってみましょかね、と見てみたら
 おいΣ\( ̄ー ̄;)
 ざっと見ただけでも、無理とか辻褄合わんとかがボロボロあるぞ

ってこともザラですね。

これだけで、実際にやってみようとお試ししてないな、ってバレバレなのです。
そしてやる気ゲージがマイナスに突入する(~_~;)

<お手並み拝見では困る>
これだけ今までと目線が逆ですね。
上に書いた3点だけでも、もう十分「お手並み拝見」姿勢になるのはね、十分すぎるくらい分かるんですけどね。

でも、所詮やれと言ってる人たちは、現場のことなんか分からないんですよ。
だから、現場が声を挙げないとどうやったって「マシ」にならない

今までの仕打ちで「言ったってムダ」って言うのも分かるんだけど・・・


走ったら止まる。止まったら振り返る。 の絵

p67 「だからね、『どうしてもダメだったら、面倒くさかったらやめてもいいよ』って折り返し地点を設けるのも大事。そうすると、人は安心できる。ああ、やめられる選択肢があるんだな。だったら、やってみてもいいかなって」

p68 「やりっぱなしはダメ。期限を決めてふりかえりをして、チームに変化の実感をつくる。『私たちはできるんだ』って成功体験を言語化する。そこから、組織のカルチャーは変わっていくの」

p87 ③実施することが目的になってしまい、やりっぱなしで評価ができていない

ココもすっごい実体験としてよく分かる。

「桃源郷みたいな理想論」を掲げて、スタートする訳ですよ。
現場の作業への上乗せが。

で、
 これが無ければ未来は来ないっ!
くらいの勢いでプレゼンしてたのに、現場が適当に極薄い濃度でお茶を濁して、意図的にフェードアウトしたって・・・

誰も困ってない!
たぶん約束した成果は出てないのに、どこ見ても炎上してない!

・・・やっぱり要らんかったのね(ノД`)=3

一つ前にあった
 「全工程を一緒に体験」
 「ゴールへ導く」
ってのも大事。

仮定でも思い込みでも良いから、スタートからゴールまで道が引いてあるからこそ、振り返った時に
 どこでズレたんでしょうね、とか
 案外やってみた方が近道でしたね、とか
経験を元にした会話で深まるってもんだと思うんですよね。

そうすれば、「やってみた」以上の実感が生まれると思います。


体験→変化→納得 の絵

p68 「リーダーとしてすべきことは、チームに小さなユーザーエクスペリエンスをつくること。そして、変化することのファンをつくること。この2つじゃないかしら」

p195 1人1人が、変化の実感を抱いていた。それが、アジャイルな取り組みに対するファンを増やしていく。

p117 「説得戦略より、納得戦略よ」

p117 User  Experience Comes  First.体験は最高の納得材料である。

そうですそうです。
経営者じゃないから、報酬って原動力は提供できないので、
 「おっ、やってみたら意外とイイねえ」
って一言を発してもらえるように持っていくのが近道ですね。

いくら
 こんなバラ色の未来が!
とプレゼンしたって、人は動かないですね。
ちょっとでもやってみてもらって、「イイねえ」と共感してもらうしかないんです。

それにはやっぱり自分がやってるところを見せて
 「あら?ひょっとしてイイんじゃない?」
と目を引く
ところから始めないと。


駆け引きでいい着地点を見出す の絵

p143 「自分のキーワードだけを主張していてもダメ。相手のキーワードに飛び込もう」

p157 お互いの共通のゴールを「握る」

相手と分かり合うには、「I(アイ)メッセージ」だと言われますが、ココの場合は「YOU(ユー)メッセージ」ですね。

「(私は)ああしたい!」
「(私は)こうしたい!」と叫んでる人が居ても、私は
 ふーん( ´_ゝ`)
で終わっちゃいます。

「(あなたは)ああしたい」、
「(わたしは)こうしたい」、
の交わるところ、お互いにメリットのある着地点を見つけて同じ方向に向かって走る。

仕事でもよく使いますが
 「握る」「握っておく」
ってよく出来た言葉ですよねえ。

ちょっと袖の下…みたいなグレーな印象もありますが、
 根回し、事前調整
はほんとに大事。

日本人的、と言われるかもしれませんが、円滑に進めるための知恵ですよ。
悪いことしてるんじゃないですし(^_^;)


p265 大切なのは、自分たちの問題や課題を言語化すること、周りの仲間たちと問題意識の景色を合わせること、そしてそれを仕組みや仕掛けで解決することなのだ。その解決方法は、ウォーターフォールの世界のやり方だろうが、アジャイルの世界のやり方だろうが、どちらでもいい。

最後の最後に端的にまとまった一文(厳密には二文ですね)がありました。

自分たちがモヤモヤしてるだけでは、やっぱり共感は得られないので言語化は大事
言語化、というと文章で理路整然とまとめる、みたいに聞こえますが、可視化でもいいかもしれません。
それこそ、本書で出てきたホワイトボードや付箋を使ってとにかく頭の外に出しちゃう、でも十分だと思います。

頭の外に出すと、「あなたのモヤモヤ」と「わたしのモヤモヤ」が同じ板の上に並ぶので、
 知ること、気づくこと
ができる。
同じか違うか、なーんてことは次に考えれば良くて、こんなことを思ってたんだ、と共有するのが大事。

で、話をして同じところ・違うところを分かっていく、それが
 「景色を合わせること」
なんだと思います。

そこまで仕立てたら、いよいよ解決方法。
ウォーターフォールでもアジャイルでもどちらでもいい。

うーん。最後がやっぱり難しい。\( ̄^ ̄)/

この本、気になるところにブックダーツを挿しながら読んでて、冒頭から結構なペースで刺してました。
けども、具体的な手法が出てくる7・8・9・10章になると、そこまでのペースが急に落ちて、極端に減っちゃいました

前半に書いてあった、職場の状況や抱える課題に共感はするものの、後半の好転していくところは
 「こんなに上手く進むかいな( ̄‐ ̄)
と思ってるんでしょうね。まだ。

もう少し繰り返し読んで、ウォーターフォール市アジャイル町に引っ越せるようになりたいな(^^)

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