私が所属している「関西ふくしグラレコグループ むす部」が、去年に引き続きグラレコでお手伝いする「神戸フォーラム2019」にグラフィッカーの一員として参加して参りました。
関西ふくしグラレコグループ〜むす部〜
→ https://www.facebook.com/Kansai.HUKUSHI.musubu/
神戸フォーラム公式サイト
→http://kurodakinen.okoshi-yasu.net/index.html
主催の 特定非営利活動法人日本ホスピス・在宅ケア研究会 さんのサイトより引用します。
まちで愛をはぐくむ ーふれ愛・ささえ愛・わかち愛ー
今、ここ! 目の前にいる人を大切にしていますか?
私たちひとりひとりが創る未来に「愛」はあるでしょうか?
人が少なくなり効率化が求められていますが、愛を削っていないでしょうか?
「そこに愛はあるんかい?」と問いながら、愛を育む「黒田裕子記念神戸フォーラム2019」でお待ちしています。
出典:新着情報 : 黒田裕子記念 神戸フォーラム2019( http://www2.toshiseikatsu.net/hospice/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=82 )
早めに着いたのに会場内でウロウロ…
最寄りの阪神元町駅に着いたら、大雨。
出口から商店街のアーケードは、走れば1分も掛からない近さですが、安全第一。
すっ転んだら大変です。って言うか、基本的に走りません(^_^;)
アーケードに入って、やれやれと傘をたたんでる内に到着。
ああ、ここ前を何度も通ったことあるわ、ってビルの中にある日本研修センターが本日の会場です。
やれやれ、早めに着いたわ(^^)
と、思って会場内をウロウロするも、あれー皆さん居なーい(゜o゜)
受付で名札受け取ったら、丸が付いてるので先に皆さん来てますねえ。
ポツポツと合流するも、やっぱり見当たらない。
そのうちスタッフのミーティングが始まって、あれーそれでも居ないなあ…
と思ってたらひょっこり部長登場。
あ、こっちこっち(^▽^)/
と、
知ってるでしょ(^^)
みんな居るよ(^^)
って表情で、にこやかなご案内。
あれ?こっちに集合って連絡回ってましたっけ?と聞くと、
(・。・)
って顔を一瞬してから、こっちこっち(^^)と再び案内。
そんなコトを突っ込みつつ、グラフィッカーが集ってる部屋で無事に皆さんと合流。
模造紙を受け取って、それぞれ持ち場の会場へ移動します!
午前は「愛を育むまちづくり」
1つ目のセッションは、「愛を育むまちづくり 〜屋台✕空き家✕リアカーde…〜」
「まちづくり」って何でしょう?人口減少、少子高齢化、核家族化は今に始まったことではありませんが、それらは地域や人々の生活に影響を及ぼし、まちの姿も変わりつつあります。健康で生活を続けるために?住み慣れたまちで暮らし続けるために?いや、そんな目的があるのかどうかもよくわかりませんが、未来に向けて面白そうなことを実践している人からお話を聞いてみたいと思います。そこに「愛」があるんかい?そこに「愛」が生まれてます?ワクワク!
守本陽一氏
兵庫県豊岡市でケアとまちづくりを実践中。モバイル屋台de健康カフェ㏌豊岡の店長。公立豊岡病院初期研修医。佐伯亮太氏
空き家・団地・地域づくり・近所づきあい・コミュニティーファシリテーション・DIYなどなどをキーワードに、実践と研究を行う。コミュニティーファシリテーター。合同会社Roof共同代表。渡部政弘氏
スーパーが撤退した地域で移動販売を始めたら…。さくらホーム、おおの家、理学療法士。出典:企画の意図(プログラム詳細)(http://kurodakinen.okoshi-yasu.net/yobikake.html)
3名のまちづくりに関わられてる方を講師に、
前半はご自身の活動
後半は会場から挙がった質問を受けての対話
の二本立てでした。
いやー、3人どの方もお話が濃ゆい。
普段ご自身で取り組まれている内容のお話なので、スライドにもお話にも情報が詰まってて、中身が濃い。
そうなると…さて、どれを描けば良いモノやら(^_^;)
当然、速記じゃないので全部は描けないけど、後で見たらお話の骨組みは分かるようにしたいな…
でも、どこの話が膨らむのか、なんてことは分かりません。
とりあえず、スライドやお話の中に出てきた
「キーワード」
「キーフレーズ」
を拾いながら、そこをイラストと言葉で補完しよう…と悪戦苦闘。
時計をチラチラ見ながら、
3人だから3等分で一人あたり大体コレくらいだな…
一人20分ならこのへんまで描いても大丈夫だな…
と描き描き。
でもね、話してたら延びますわね。
話は生き物だもの。
話が進むにつれて、想定してた陣地をどんどん侵食して行きましたが、まあ何とか収まりました(^O^;)
後半は前の机に3人が並んで座って対話です。
もうね、この形式だとね…
書くしかない。
考えてると話がどんどん進んで行くので、耳から入って来た言葉をとにかく素早く書き出す。
元々授業の板書が好き、ってトコからグラレコ始めたので、得意分野と言えばそうですね。
でも、会場で手を挙げた方の発言をどこから書き始めるか、は難しいです。
問に対する答、ってまとめ方をしたいな、と思ってたので、どちらが欠けても成立しないのですね。
でも、やっぱり生でお話聞いた後に喋る訳ですから、言いたいですよね。
感想。
全然言ってもらって良いですし、
講師の方も生の声を聞きたいでしょうし、
リアクションがあった方が励みになりますよね。
ってところは、100%理解してるんですよ。
でも、どこから書き始めたら良いか見極める(聴極める:キキワめる?)が、ある意味描くことそのものより難しかったりします。
場数重ねて修行するしかありませんね。
思い切って書くことに徹したら、イイ感じにまとまって紙も使い切れたのでは?と自己評価(⌒▽⌒)
今回も似顔絵はお任せして、逃げちゃいました(*ノω・*)テヘ
一人で描く時どーするんや!とセルフ突っ込みしながらも、分業ですよ、分業(^_^;)
私はひたすら描いてたので、着色・装飾はバディを組んだお2人にお任せ。
やっぱりねえ、このひと手間を掛けるか掛けないかで、グッと見栄えが違ってくるんですよね。
黒ペンだけで描いただけだと、どうしても平面的。「ノッペリ」って感じですかね。
そこにちょっと影が付くだけで、あら不思議。
立体感が出て来て、文字群の中からフッと浮かび上がって来ます。
まあ、色が付くので目に入りやすくなる、って言ってしまえばそれだけなのですが、
視線が止まる
目が滑らない
って効果はあなどれないですね。
それにしても、うちの部長、ほんまに
灰色の魔術師
ですな。
灰色の有用性、こいつは使える!ってのは、どこのグラレコセミナーでも話題に挙がりますが、私は「主張しないけど、確実に目に入ってくる囲み・境界線要員」でしか使えていません。
それに対して、まあ自由自在に灰色で描く描く。
先に描いてある黒文字をジャマしないので、あれだけイラストをブチ込んでも、絵が「うるさくない」
シンプルにすごいっす。
出来上がったグラフィックを見た皆さんも、字の上から絵を描くんやーΣ(゚Д゚)と、絵のクオリティももちろん、手法そのものにも驚かれてました。
午後は「院内患者会・サロンの未来を考える」
いやいや疲れましたねーと言いながら、昼ご飯を食べて栄養補給。
さて、午後からは…とプログラムを見たら、
前半は、基調講演と活動紹介、
後半は、フィッシュボウルで参加者みんなで対話。
病院主導で始めたサロンが患者主体にならないと悩んだり、院内サロンにおいて医療者はどこまで関わればいいのか?・・・・・そんな疑問に答えてくれる場所は少ない。医療者主体のサロンと患者が運営するでは、活動内容にどのような違いが出るのか? そんな違いも私達は知らないのかもしれません。まずは色んなサロンや患者会の現状や課題を知りましょう。その上で各々の特性を有効活用するにはどうすればいいのかを共に考えます。この意見交換の場は一般市民にとっても患者会・サロンの意義が明らかになる場となるでしょう。患者会・がんサロンの運営者、これから立ち上げを検討している方、一般市民の方・・・皆で患者会・サロンの未来図を作りましょう。
1.基調講演 「サロン・患者会というサポートを再考する」(姫路医療センター 吉村純彦医師)
2.活動紹介 ~特性と課題~
・院内サロン主催の医療者(神戸市立西神戸医療センターがん相談支援センター 稲山友代氏)
・院内サロンを主宰する市民 (姫路日赤病院がんサロン「相の会」 北田ひとみ氏)
・患者主体の民間団体サロン主宰者 (がん患者グループ「ゆずりは」齋藤恵津子氏)3.参加者全体での意見交換
出典:企画の意図(プログラム詳細)(http://kurodakinen.okoshi-yasu.net/yobikake.html)
へー、フィッシュボウルやるんや
じゃあ何個の班に分かれるか確認しとかな、との声がバディを組む相方から聞こえます。
おおっ、フィッシュボウルって皆さんご存知のワードなのね(;^_^A、と調べます。
フィッシュボウルは良い対話を深めつつ、その内容を参加者全員で共有するための方法論です。立場の異なる参加者が、お互いの観点をよく理解し、傾聴することを促進できます。
出典:フィッシュボウル(Fishbowl)(https://www.ourfutures.net/session_methods/fishbowl)
実際に後半の意見交換で使われたのは、サークルでした。
サークルは参加者が車座になり、コミュニティ全体にとって重要な課題を熟考する対話の場をつくり出すための方法論です。
全員が対等の立場に立ち、お互いに傾聴し合い、真実を語り合いたいときに、世界中で車座が行なわれてきました。サークルはその形態を用いています。
出典:サークル(Circle)(https://www.ourfutures.net/session_methods/circle)
午前は2時間でしたが、午後は3時間。
さすがに1人で描き切るのは無理なので、前半と後半で交代。
後半の意見交換はどんな感じになるのか予想が付かないので、お一人ずつがお話される前半を私が描くことにしました。
お話そのものは医療の専門用語が飛び交う、って訳では無かったですが、普段接することのない分野なので、予想が付かないと言うか行間が読めない感じで悪戦苦闘。
活動紹介の皆さんは「普通の方」と紹介された通り、活動には取り組まれているものの、その内容を人前で発表する機会は無いとのことでしたが、とても丁寧にお話されていました。
ただ、投影資料の無い方も居て、聴き取れなかった言葉が有った時にカンペ的に見るものが無かったのは、ちょっと辛かったです(^^;)
まだまだ修行が必要ですね。
午前と違って、立て板に水って感じはありませんでしたが、発表される内容に対する想いの濃さは同じ。
むしろ、発表される機会がそんなに無い分、この場でお話された言葉を書き残しておきたいな、と思いながら描いてました。
描き手の勝手な考えですけどね。
自分でハードル上げておきながら、分野的にも活動内容的にも予備知識が無いので、どこを拾ってどう描けば良いか、難しかったです。
さて後半の対話です。
皆さんが椅子を持って輪になります。前半の教室形式の時には気付きませんでしたが、こんなにたくさんの方が来られてたのですねΣ(゚Д゚)
司会の宮本さんの進行で、お隣の方とアイスブレイクで自己紹介した後、用意された4つのテーマで話します。
それから全体に向けて話す流れです。
1.サロン・患者会の現状
2.問題点
3.治療に向き合う人には何が必要なのか?
4.あなたなら、目指したい方向は?
印象的だったのは、宮本さんが場に対して投げ掛ける時の「じゃあ、誰か喋れる人」との言葉。
喋りたい人、じゃなくて、喋れる人。
予備知識が無かったので聞いた後の感想ですが、テーマとしては重たい。
その重たいテーマで、能動的に「喋りたい」と踏み出すのはハードルが高いだろうな、と想像できます。
そこに「喋れる」、喋ることができますか、と投げ掛ける。
主語は単純に「あなたは」かも知れません。
でも、私には
「この場のために」
「この場に居合わせた皆さんのために」
喋ることができますか?
と投げ掛けられていたように感じました。
この一言で、話すことをためらってても、そっと背中を押されたのではないでしょうか。
テーマである患者会・サロンの話、医師の話、病気の話…
20歳の時に母を病気で亡くしていますが、正直初めて向き合う話ばかりで圧倒されるばかりでした。
お話の中に何度も「がんサバイバー」が出て来たので、引用します。
最初に・・・「がんサバイバー」ってなに?
「一度でもがんと診断されたことのある方」です。治療が効果をあげて良くなった人だけでなく、治療中の人も含まれます。ラテン語の“Sur”の「超えて」+”vīvere” 「生きる」、つまり、がんを「超えて生きる」というポジティブな語源をもつ言葉です。
出典:がんサバイバー・クラブとは?(https://www.gsclub.jp/gsc)
後半は描き手では無かったので、ひたすら付箋にお話を書き留めては模造紙に貼る、を繰り返してました。
その中でも
患者にとって泣ける場所、吐き出せる場所が無い/必要
と言うのはシンプルながら、忘れがちだなあ、と感じました。
つい、頑張って!とか、これが良いって聞いたわよ!とか、
元気づけよう、勇気づけよう、と与えることに偏りがちです。
それが全面的に悪い訳じゃないですが、まずはその人の話を聴く、ってだけでも十分なのかも知れませんね。
最後に、我々描き手も輪に入れて頂いてクロージングです。
感想をお話しする機会を頂いて、私は普段以上に場に出た言葉を拾いたい、落としたくない、との思いで描きました、と伝えました。
バディを組んだ相方は、グラフィックに描いたことが話したことと違和感があれば、ぜひ伝えてほしい、と。
多くの方が描いたグラフィックを写真に撮られて、SNSなどで投稿されます。
それによって、今日のお話がこの場に居なかった人にも伝わるので、とても有難いことです。
でも、話した方の想いと違うところがあれば、違ったまま拡散されてしまう。
あれっ?と思っても「せっかく描いてくれたんだから…」とためらわれてしまうと、”違う”ままでたくさんの方の目に触れてしまう。
そこは描き手からぜひ、と申し出ることが大事なのだと気付かされました。
この一言を常にグラフィックに添えられるように気を付けたい、と改めて思いました。
一番最後は隣の人と手を繋いで、言葉には出さず“ありがとう”と心で思って、本日午後のセッション終了です。
午前・午後どちらも終了後、たくさんの方が描いたグラフィックを写真に撮られていました。
分かりやすい、見やすい、とお褒めも言葉を頂いて、描き手としてこんなに嬉しいことはありません。
色々得るものが多い一日でした。