「私が描き終わる」はゴールじゃなくて、「あなたに見てもらう」がゴールですね

「グラフィックレコーディング」に出会ってハマって( ̄▽ ̄;)、早2年が過ぎました。

講演会やプレゼンテーションの会場で「お話されている内容を同時進行で描く」人が居ることが増えてきて、知名度は結構上がって来てるんじゃないかと思ってます。
(描いてる人をSNSでも追い掛けてるので、そりゃアンタの周りだけでしょ、って言われるかもですが…)

グラフィックレコーディングってなあに?って方は、過去の記事を見てもらえると嬉しいです。
 ↓
グラレコ関連の記事

何でもかんでも略すのはいかがなものか、とのご意見もあるでしょうが、フルネームだと長いので、以降は「グラレコ」と省略形で書きます。

描いたグラフィックが文章や動画の「味見」になれば

色々描く機会を頂いて、
 今、目の前で生まれる会話をリアルタイムに描き残す
ことが出来るグラレコにとても魅力を感じています。

ただ、その一方で
 印刷物やネットの記事など「確定した情報」を描き起こす
ことで
 「情報と人の接点を近づける」
 「文章で書かれた情報に触れやすくする」

ことが出来ないかな、とも感じています。

例えば、せっかく有用な情報がネット記事や本に載っていても、
 「文章読むのが苦手な人」
は避けてしまうので、グラフィックで”味見”や”地図”みたいなものを作れば、10人のうち1人でも読もうと思ってくれるんじゃないか、みたいなことです。

当然、元の文章よりは情報の濃度は薄まるのですが、
 お、こんなこと書いてあるの。
  ↓
 じゃあ(ざっくり絵で中身も分かったから)ちょっと文章読んでみるかな

と、情報に触れるキッカケ作りが出来たらな、と。

情報に触れるキッカケ作り
情報に触れるキッカケ作り

好意的な受け取り方だけでなく、
 書いてあることは分かったけど、興味無いわ
と、ご自身で情報の取捨選択をしてもらえたら、それももちろんアリです。

文章が無理なら、Youtubeの動画があるじゃない、とは思うものの
 何十分も見てられない、時間が掛かる
のも確かなので、動画も同じように味見が出来れば、と思います。

拡散させたいと直感で思った宮沢さんのツイート

そんなことを考えていたところで見かけたこのツイート。

京都大学でウイルスの研究をされている宮沢さんのツイートです。

確かに、広く発信するために整えられた文章ではありません
でも、その粗削りな、まるで目の前で話し掛けられているような言葉は、直球で伝わります。

「読めば」

そう。
読まないと何も伝わらないのです。

このツイートは、色んなサイトに転載されたので、そこら中に賛否両論があふれています。
賛同して取り入れるも良し、
違う考えだと異を唱えるも良し。
でも、それは「読んだ」からこそできる「意思表示」です。

読まないと、有益なのか無益なのかも知らないまま。判断することすらできません。

新型コロナウイルスに関する情報は有象無象にあふれています。
混乱が大きくなるにつれて、描くことで何か/誰かの役に立てないか、とモヤモヤしてました。

ただ、絵にすることで
 「目あたりが良い」(「口当たりが良い」の目版だと思ってください)
ものになるので、誤った情報を描くのは避けねば、と思ってましたが、ウイルス研究されてる方からの発信なので、信ぴょう性はあるだろう、と。

なので、これはたくさんの人に読んで欲しい、と思い、ツイート内容を描き起こしました。

それがこちらです。

宮沢さんのツイートを描いたグラフィック
宮沢さんのツイートを描いたグラフィック

同時進行で描いたものでは無いので、「グラフィックレコーディング」ではなく「スケッチノート」と呼ぶのをよく見かけます。

個人的には、「文字」から「絵」への翻訳なので、「グラフィックトランスレーション」がしっくりくるなあ、と思ってますが、「グラレコ」以上に良い呼び方はまだ無いようです。

私が描いた絵が元のツイートと合体して進化

Facebookで投稿したところ、普段のグラレコ投稿とは明らかに反応が違いました

いいね、もコメントも、シェアも。
普段、結構頑張ってブログ記事書いて投稿してるのになあ…ってシュンとなるくらい(^^;)

でも、たくさんの人に見て欲しい!と思って描いたグラフィックが拡散されるのは、素直にとても嬉しい

そんな中、同じ県内で活動されているアーティストの田靡みきさんから、印刷して個展やイベントで配りたい、との申し出を頂きました。

田靡みきさんのブログ
 ↓
https://ameblo.jp/sasuke-tencoro/

ビックリするやら、うれしいやらΣ( ̄□ ̄|||)

ただ、私が書いた文章では無いですし、先に書いた通り
 「元の文章を読むキッカケ作り」
が主旨なので、元ツイートにたどり付けないと困るので、いくつかお願い事項を伝えました。

で、出来上がったのがこちら。

田靡さんが作ってくれたチラシ
田靡さんが作ってくれたチラシ

文章だけをコピペで貼り付けるくらいかな・・・と思ってましたが、ツイート全体が読めるようになっていて、しかもQRコードから開けるようにまでなっていて、想像以上の配慮で感謝感激q(TーT)p

全く初対面の方が、ここまで意図・思いをくみ取って表現してくれることに驚きました。

岡田さんのチラシに衝撃

数日経って、宮沢さんのツイートが複数のサイトで掲載されるようになりました。

そんな中、Facebookでフォローしていた宮沢さんがシェアしていたチラシに目が釘付けに。宮沢さんと同じ京都大学の岡田さんが作られたものです。

それがこちらです。
日本語版だけでなく、英語版ベトナム語版もあります(@ ̄□ ̄@;)!!

岡田さんチラシ日本語版
岡田さんのチラシ
岡田さんチラシ英語版
英語版
ベトナム語版!

いずれもこちらのサイトで公開されており、PDFファイルがダウンロードできます。
 ↓
https://o202n006.wixsite.com/fiyer

同じ宮沢さんのツイートを題材にされていますが、こうも整理の仕方が違うのか、と驚きました。
情報がとても読みやすく整理整頓整形されていて、私の「描き起こし」とは違いますね。

図解も好物なので、「ああー!こう来たかー!(ちょっと悔しい)」と叫びながら読みました。

「書き起こし」と同じく順番に全部読まないと成立しない「描き起こし」より、パッと見・直感で情報が入ってきますね。

しかも岡田さんは、テレビが情報源でインターネットが使えない皆さん向けに「印刷物」として、配布・掲示されています。
確かに
 (紙を)どうぞ(^^)
と手渡せば、押し付けることなく「思いと情報」が伝わりますね


情報と人の接点を増やす、を目指すと言いながら、
 「どう描き表したか」
って、見栄え・最終的な絵だけに着目・固執していて
 「描いたものをどう受け取ってもらうか・伝えるか」
は考えられていませんでした。

お2人からはとても良い刺激・気付きをもらえました。
直感を信じて動くと、思ってもいない良い展開になるものですね(⌒∇⌒)

最後に私がFacebookに投稿した際の文章を転載します。

「無症状」を都合良く解釈していた自分の頭を、フルスイングでぶん殴られたような衝撃。しかも言うだけ番長のコメンテーターじゃないウイルス研究の人のツイートΣ( ̄□ ̄|||)

この言葉だから伝わる良さあるけど、字だとスルーする人多いはずなので拙いけど描いてみた。誰か一人でも目に留まれば。

描いて何になるのよ。原文(元ツイート)よりも情報量薄まるじゃないの。・・・と悶々しましたが、
そんなことはどうでもいいや。

伝えたい、と思った情報を目にして、たまたま描くことが苦じゃなく出来るのでその手段を取ったまで。

文章で伝える、
音声で喋って伝える、
動画で表情も付けて伝える、
自分が持ってる手段が違ったら、どれかで伝えたでしょうな。

膨大な情報が出回ってて、でも「文字」「グラフ」が大半で読めない=拒否しちゃう、動画もあるけど全部は見る時間が掛かっちゃう・・・と、せっかく有用な(有用じゃないのもあるだろうけど)情報に触れる機会が少ない人に向けて、”そうじゃない”入口を作れないかな、とこれまた悶々してました。

絵が万能では無いですし、欠点・危うさも多々あるでしょう。でも、「情報に接する手段をたくさん取り揃える」ことは良いことしか生まないはず、と思ってます。

やってみてスッキリしたので、今のところ私の中では正解のようです。

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