駅にあるチラシがやたら刺さってるところに、やたら派手派手しいのがあったので手に取ると、見たことのある「G」のマーク。
「グッドデザイン賞」って名前は知らなくても、このGのマークは一度は目にしたことがあるんじゃないでしょうか。
そんなグッドデザイン賞を受賞したモノが展示されてるってことなので、神戸ファッション美術館まで行ってきました。
公式ホームページ→こちら
ただし、終了直前に行ったので、もう展示は終わっております…あしからず(^_^;)
もくじ
神戸ファッション美術館
六甲ライナーのアイランドセンター駅下車すぐにある、宇宙船がビルにめりこんだような建物です。
余談ですが、六甲ライナーの高架を挟んだ反対側にある式場で、結婚式と披露宴やったのですよ。
なので、一人ノスタルジックな気分になってました(^^)
では、展示されていたたくさんの受賞作品のうち、私が気になったものをご紹介します。
なお、撮影OKだったのでコソ撮りではありませんよ。でも動画はNGでした。
PENTAX K-1 アップグレードサービス
K-1って機種のカメラを送ったら有償で
・分解、掃除、調整
・メイン基盤交換
・バッジ交換
をしてくれて、後継機種のK-1 MarkIIとして返してくれるサービスです。
K-1が2016年4月発売、K-1 MarkIIが2018年4月発売なので、中身だけが2年新しくなる感じ。
審査委員の評価にも書かれてましたが、スマホで簡単に写真が撮れるご時世に、わざわざ写真撮影(動画も撮れますが)の専用機を買うって人は、カメラ本体と言うかフォルムそのものや持った感触など、「物」として愛着を感じていると思うので、これはカメラ好きなら嬉しいだろうなあ、と。
スマホでもやってくれませんかねえ。
カメラの性能も機能面も頭打ちで良いから、サポートから外れないように「新しいOSが入れられる/そこそこ動く」基盤に入れ替えてくれたら、別に外側は今のままで良いんだけどなあ。
カバーとかケースとかそのまま買い換えなくていいし。
(2018年9月30日で受付終了とのことです)
http://www.g-mark.org/award/describe/47350
ジョセフジョセフ クラッシュボックス
ゴミ箱です。
そう、見た目は良くある、シュッとしたゴミ箱なのですが、ゴミを上から押し込んで圧縮するためのバーが付いてます。
写真で伝わるでしょうか…?
ゴミが溜まってきたら、上からギュギュって押し込むじゃないですか「手で」。
汚れるとかは、まあ気にしない人なのですが、押し込むと袋も一緒に引っ張られてグシャっとなるじゃないですか。
しかも袋が中に入らないように、上に申し訳程度に乗せてある押さえるやつ(名前あるのかな)が外れて、ゴミの中に入るじゃないですか。
ムキーってなります(; ・`д・´)
これを、火曜と金曜の朝にほぼ毎回やってるので、えらく魅力的に映りましたよ。このゴミ箱。
ゴミ箱相手に大体の人がやるであろう作業を、予め機構として組み込んでおくのは面白いなあ、と思いました。
http://www.g-mark.org/award/describe/47216
https://www.josephjoseph.jp/products/detail.php?product_id=338
Panasonic リショーネ Plus
写真右側です。
「ベッドの一部が変形しそのまま車椅子になる」
写真見てビックリΣ(゚Д゚)しましたね。
テレビで、ベッドから車椅子に移るのを見たことありますけど、めっちゃ大変じゃないですか。
立つのが大変だから、寝て過ごしたり車椅子に乗ってたりするのに、ベッド→車椅子の間は乗り換えないといけない矛盾。
その矛盾をあまりにシンプルに解決してて、パネルの前でしばし立ち止まりました。
こうやればいいでしょ、って仮に思いついても、奇抜なアイデア位で終わっちゃうと思うんですよね。でも、そこをほんまにやっちゃうのが素敵。
「乗り換えを楽にする」じゃなくて、「乗り換えそのものをしない」
頭が固い私にとってはいい刺激になりました。
ウェアラブルチェア アルケニス
行列に並ぶ時とか、立ち見の時にちょいと腰掛けられたら便利ですよね!と、杖に自転車のサドルっぽい尻を乗せる部分が付いたアイテムあるじゃないですか、あれのめっちゃ豪華版、と思ってみてました。
写真中央の現物よりは、左側の写真が分かりやすいです。
良く○時間の大手術!とか聞きますが、もちろん患者さんは大変だと思います。でも、立ちっぱなしのお医者さん”も”大変ですよね。
有難いことに自分や家族が手術で付き添うって経験をしたことが無いので、ひょっとしたら途中で交代するのかも知れませんけど。
この手の形状見ると義足を思い浮かべますが、発想の転換と言うか目線を変えると生まれるんですね。
GVIDO グイド
kindleとか電子書籍を読むための端末ってありますよね。それの楽譜版、楽譜専用端末です。
部活が吹奏楽部だったので、譜面台立てて、紙の楽譜をめくって、鉛筆で書き込む、って日常的にやってたので、有ったら便利だなあーとは思ってました。
でも、現実に出てくるとビックリですね。未来だわ、未来がここにあるわΣ(゚Д゚)と一人興奮してました。
ちょうど電子ペーパーに興味津々なタイミングだったので触りまくり。
電子書籍と同じでページめくりの時の白黒反転が気にはなるものの、実際に紙をめくる速度を考えると違和感はないかな、って感じでした。
後は、演奏途中に動きが止まってしまうかもしれない…ってネガティブな想像をいかに打ち消すか、ですね。
これはGVIDOそのものの話じゃなくて、小心者ってのが問題なのですが(^^;)
軽く開けるクリップ「エアかる」
写真見ればお分かりになる通り、会社とか紙を挟むのに使う黒いクリップです。
あれね、開く幅ギリッギリの紙の束を挟もうとすると、結構な力が必要で手がプルプルしますよね。
ネットで見てたので、お!と使ってみたら、想像してたよりは力要りますが、普段使ってるのよりは軽かったです。
ナラティブブック秋田
何か毛色が違うなあ、と思ったらこれはグッドフォーカス賞ですね。
終活に向けて、カルテやお薬手帳だけじゃなく死生観などの個人の想いを、医療介護連携の支援ICTツールに記録・共有するものです。
これを見て思ったのは、終活だけじゃなくて病院の受診歴とかカルテって、自分自身の事なのに「自分の手元」には無いのは不思議ですよね。
自分のカルテを持ち歩いて受診するたびに書き込んでもらう、ってのは現実的じゃないなあ、とは思うものの、病院を変えるたびにゼロから自分自身で説明しなきゃいけないって、変な制度だと思い続けてます。
単純に私が診察で聞いた内容を覚えられないからかも知れないですが(^^;)
お薬手帳だって、まともに毎回持って行けずに貼り付け用のシールをもらうのが日常なので物理的な冊子は難しいにしても、ここで出てるICTツールなら何とかならないですかね。
確かに病歴って機微な情報を扱うことになるし、一回しか受診しないお医者さんが見ることもあるので、「今情報を見ようとしているのが”患者が認めた人”かどうか」を判断するのって難しいと思いますが、マイナンバーとかで紐づけたら何とかなるんじゃないかなあー、と期待。
町営住宅河和第二団地
住民が少なくなったので、古い団地を立て替える時に思い切って住居数を減らして、縁側や庭のスペースを確保されています。
プライバシー重視で隣にどんな人が住んでるか分からない、ってのとは真逆ですね。
あちらこちらで言われてる通り、少子高齢化で人口も減ってるので、狭い国土にギュウギュウと詰め込む必要も無くなって来たのは確か。
何か時代劇で見る長屋のような、繋がりを重視する世の中に戻って行くんでしょうかね。
釜石市の公営復興住宅
仮設住宅・復興住宅は、元々住んでいた地域を切り取って…という訳にはいかないので、新興住宅街みたいに見知らぬ人が集まって住む=周りに知り合いがいない、って話をよく目に耳にします。
特効薬的な解決方法は無いですが、先ほどの団地と同じく繋がりやすいように縁側や回廊を設けて、”顔を合わそうと思えば”合わせられる作りにされています。
その結果が「繋がることと離れること/関係性のデザイン」という言葉にも表されていると感じました。
はじめてばこ
赤ちゃんの誕生をお祝いして、
・はじめてを記録するためのアルバム
・童謡カードなどのプレゼント
・赤ちゃんのはじめてグッズを保管しておくために使える外箱
が届くサービスです。
初めての子供って余裕ないので、「あー、あれ置いとけば(撮っておけば)良かった」的なことも多いので、ひな形的なものがあると有難いですね。
面白いな、と思ったのは地域のテレビ局と協賛スポンサーが組んで、生協が配達していて一社がやってる訳じゃないところ。
SMAiLEE~SMA患者さんとご家族・医療関係者のコミュニケーションサポートツール
先ほどのナラティブブックと同じく、患者さんの情報共有ツールです。
ただ、こちらは患者さん個人にとどまらず、難病であるSMAの治療や疫学のために情報を集めるとの側面もあります。
診察の時に記憶(もしくは記録)を頼りに医者に伝える、という手法では集まる情報や粒度にも限界があるのでこのようなツールは有用ですね。
こんな症状が出る、反応が出る、って情報があるだけでも患者さんには安心かと思います。
未知、は一番不安ですからね。
避難所もっとより良く非常袋 #並べる防災
防災グッズリストはあちこちでよく見ますが、どれくらいの物量になるのか分からないなあ、どの程度のリュックサック用意したらええのかしら、と思ってます。
そんな人のために、防災グッズの写真があって、そこに実際に置いてみましょう、って記事です。
並べてみる、まで手が出なくても写真を見てるだけで、「あー、こんなものがあったらいいのね」とイメージが付くでしょうし、この数じゃ足りないから増やそうかしら、と「自分ごと」として調整できるのも良いですね。
グッドデザイン賞は、直訳の「良い形、外観」って印象でしたが、モノの本質・考え方に着目して評価されてるのですね。
目を引くものがたくさんありましたが、特に患者さんの情報を記録・共有する、ナラティブブックとSMAiLEEが興味深かったです。
展示の中にあった、審査委員長のコメントが印象に残ったので最後に載せておきますね。