campと言っても、自然の中でお泊りするやつではありません。
教育/学び/先生/学校などに関することを、
教員以外の一般の学生や社会人も含めて、
参加者が「こんなこと話したい!」と提案したテーマに分かれて、
『対話』をするってイベントです。
このイベントは以前に受講したグラレコ講座のえがこう!の先生から教えて頂きました。
《過去記事》→2018/04/21 えがこう!地獄のお絵描き道場 「できる仕事人は絵が描ける!」@大阪に参加してきました!
なので、どちらかと言うとグラフィック目当てで参加したのですが、そのグラフィックはもちろん、イベントの本題である対話も非常に有意義で、とても充実した一日を過ごすことができました!
もくじ
Edcampとは
公式から引用します。
https://peraichi.com/landing_pages/view/edcamp-az-osk2018
Edcamp AZ(アズ) のコンセプト
あらゆる枠を超えて価値ある学びを自ら創造していく場
特徴
・多様な視点で新しい学びのカタチを考える場
・いくつものセッションを同時に開催
・各セッションのテーマを参加者自らが当日提案して実施する参加者主体型イベント(講義形式ではない参加者同士の対話形式)
・参加者は多数のセッションの中から、自分の興味あるテーマのセッションに参加
※当日話し合いたいテーマを是非考えてきてください
※セッション中でも別のテーマに移動することができます
Edcamp とは?
Edcamp AZの元となるEdcampは、2010年にフィラデルフィアで第1回が開催されて以来、80以上の国と地域で、1000回以上開催されてきた、教育関係者のためのカンファレンス。教育現場の課題を公立・私立学校の教師をはじめ、教育に関心のある多業種・多業界の参加者で議論し、アイデアや知識を共有し、「明日からの学校・学びをもっとワクワクさせる」イベントです。今週末も、来週末も、世界中のどこかでいくつものedcampが行われています。
会場は関西大学梅田キャンパス
駅近な場所にキャンパスあるんですね。キャンパスなのにビルって( ゚Д゚)
都会もキャンパスも縁が無いのでアワアワ。
ビルに入ったら一階にTSUTAYAが有るやないですか。
田舎者はもうそれだけで雰囲気に飲み込まれてます。
オープニング
運営のしげっちさんが言われていて印象的だったこと。
・ルールは2つ。否定しない。話を聞く。
・今日はとりあえず出し合う。
・ばかにする人、無理と言う人は居ない。と信じている。
・今日一日は人と人としてつながってみてください。
・答えは出ないかもしれない。モヤモヤを持って帰るかもしれない。
とにかく対話をしましょう、とメッセージはシンプル。
それだけに、今日これからどんな気持ちで今からのセッションに臨めば良いかが分かって、不安な気持ちが楽になりました。
で、お話されてる時に前に投影されているのが、良くあるパワポのスライドじゃないんです。
字を書いたふせんサイズの小さい紙を置いては手で払いのけ、置いては手で払いのけてる。
それをカメラで上から撮ったのが映されてます。
もうそれは衝撃。
これ見れただけでも、今日来た甲斐があるわあ(≧◇≦)って感じ。
凝ったデザインにせずに、白地に文字、みたいなシンプルなものは良く見るけども、これは初めて。
でも、伝えたいメッセージがしっかりしてれば、資料(=見た目)なんてどうでも良い、ってことを突きつけられました。
印刷物じゃなく味のある手書き文字なのも、ライブ感を盛り上げます。
セッションテーマ
運営から予め提示されていたテーマはこの3つ。
事前にFacebookページで発表されていて、当日どんなことを話し合いたいか参加者が提案します。
・セッション1
「あなたが感じている、学校についての、あれこれ」
※学校について、あなたが日頃感じている疑問や、実践している教育など・セッション2
「学び ✕ 未来」
※学校という枠にとらわれず、未来志向で考える「学び」・セッション3
「フリーテーマ設定」
※学校、家庭、民間、地域などを含む学びで自由設定
(社会人教育除く)
受付の奥に空枠が描かれた大きな紙が貼り付けてあって、そこに参加者がテーマを書き込んだふせんを貼り付けます。
それを8つに仕分けるのですが、オープニングのみんなが見てる前でやるんです。
提案した人の意図と合っているか確認・合意した上で、セッションで対話する8テーマが決定。
会場内が8つに区切られてて、参加者が自分が対話したい!と思うところへ椅子を持って移動します。
3つのセッションそれぞれで8テーマなので、全部で8×3=24のテーマが設けられました。
ボードから剥がされて、ダランとなってるのを片付けの最中に撮りました(^_^;)
ここからは私が参加したテーマについてまとめます。
セッションの途中で自由に動いても良い、となってましたが、そこは日本人。
結局どのセッションも、初めに決めたテーマから動くことはありませんでした。
対話の感想と、せっかく対話と同時進行でグラフィックが描かれるのを見ることが出来たので、その感想も書いてみます。
セッション1:受験について
「受験について」に仕分けされたテーマはこの2つ。
・公立と私立ってどっちが良いの?私立はすべり止め?
・勉強が嫌ならなぜ受験した!?
この対話で描かれたグラフィックがこちら。
対話
初めてのセッションでどんな感じになるかと思いましたが、自分で出したテーマで取っ掛かりに喋るのを振ってもらったのもあって、スムーズに参加できました。
私自身が高専一本で私立の併願もしなかった上に、高専の試験が私立と同じ2月だったので、テーマに挙げた「公立が本命だけど、すべり止めで私立も受験」は実際に良く分かってなかったんです。
でも、大学生とか20代の受験からあまり時間が経ってない皆さんの意見を聞いて、受験する学校の選び方って変なんだなあ、と実感。
対話の後半は「大人の都合」が連呼されてて、ああ若いなあ、もうこの年になったらその「大人」側やから同じように言われへんなあ(^^;)、と思いながら聞いてました。
高校受験する中学3年生に、将来のやりたいこと決めろ、ってのは無理がありますね。
普通科に行かず高専の電子情報工学科に行きましたけど、「就職するなら工業高校の方がええなあ」「パソコンしたいから機械よりは電子情報か」位で、そんなに深い考えなかったですからね。
結果的に就職率100%かつ、毎年卒業生が送り込まれる枠がある会社にスルスルっと入って、勤続18年超えたので良い選択だったんじゃないかなあ、とは思ってます。
自分で言った意見で何ですが、「選ばない選択=今は決めないと選択したこと」をポジティブにとらえて尊重する感じになれば良いなあ。
グラフィック
対話しながら見てる時から、読みやすいし見やすいなあー。対話終わってじっくりみても、やっぱり見やすいなあー。
字と絵の比率、詰まり具合、色の多さ、とか色んな要素・観点があって、見る人によっても感じ方が違いますし、どれが正解ってのは無いです。
でも、私にはこれくらい字の分量があって、ほっこりするイラストがクリアに描かれているのがすごく気持ち良いです。
《過去記事》→「伝える」ための手段としてグラレコは良いですね
懇親会でお話聞いたら、イラストレーターさんだそうで、そりゃあ字を書くように絵を描ける訳だ(^-^)と一人納得。
こんな感じの雰囲気で描けたらいいなあ、と思えるグラフィックでした。
セッション2:年齢問わず、学びたい時に学び、働きたい時に働きやすい未来
この対話で描かれたグラフィックがこちら。
対話
初めに先生か否か、で捉え方が大きく変わる、との話の流れから皆さんの職業を確認すると、何と先生はゼロ。
今日は教職員の方もたくさん参加されているのに、まさかのゼロ。
先生的にはあまり響かないテーマだったのかしら。
なかなか的が絞りにくいテーマでしたが、フィジー在住で奥さんの出産で日本に一時帰国してる方のお話が興味深くて、場がどんどん温まりました。
その中でも「地位財/非地位財」のキーワードが刺さりました。
このテーマのようにしたいことをする、を実践するために自由を手に入れると、反比例して金銭面の収入は少なくなります。
けども、それがイコール不幸せなのか?ということ。
年収150万は200万を望み、その200万は300万を望み、上を見続けるので終わりがありません。
つまり満足して幸せ、というゴールにはならないのです。
一方で、健康、とか、楽しい、であれば、もう自分が思っちゃったらそこでゴールです。
人と比べる必要なんて無く、自分の価値観だけです。
対話の中には高校生や、もう就職する大学生も居ましたが、その時期にこんな対話に参加出来ているのは羨ましく感じました。
グラフィック
テーマが広かったので、話し手側も手探りでどこへ収束するんだろう…と不安いっぱいだったこのセッション。
グラフィックの余白がそれを物語ってます。
でも、その余白が”描かれている”ことで、対話の場の手探り感が伝わってきます。
音楽で言う「休符」を演奏する、って感覚と近いなあ、と思ってみてました。
グラフィックは、くっきりハッキリ描かれててめっちゃ見やすいです。
筆圧の加減なのでしょうか、対話聞きながら手速く描いてるはずなのに、字が流れて無いんですよね。
明朝体よりはゴシック体好きな私にとっては、フォントと言うか字の形がとっても心地良いです。
それに加えて、余白の量や線の太い細いの使い分けで、多少離れても見やすさが落ちないのも見習いたいです。
セッション3:お金の教育について
この対話で描かれたグラフィックがこちら。
対話
ここが人気薄なのか、他が人気集中なのか、結構こじんまりとした人数で話が出来ました。
金融系のお仕事してる方や、お金の知識を教える講座をしている方も居て、単純に学校で教えてくれたら良いのになあ、という願望を吐き出すだけじゃなく、実体験からのお話も聞けました。
他にも「自分自身がお金のことを知らないので、どう教えたらいいか分からない」という先生や、「100円で仕入れたリンゴをいくらで売る?」「100円で売ったら、その人はどうやってご飯食べるの?」みたいな話でお金を教える体操教室の先生も居て、色々な視点で対話が進みました。
話を進めていると、学校で教えてよ、という一つの視点で固まってしまいそうなところを、グラフィッカーさんが
「じゃあ何で学校ではお金の教育しないんでしょう?」とか
「お金の教育を増やすとなると、その時間を確保するために、何かを止めるか、授業時間を伸ばすことになりますよね」とか
違う視点からの矢を放ってくれるので、停滞や堂々巡りもなく対話が進められました。
結局、学校に期待してる割に、家で子供にお金の話してるのか?ってブーメランが返って来た感じの結論になりましたが、確かにそうだなあ、と実感しました。
グラフィック
結構話があちこちに飛んで収集が付かない流れだったこともあり、前半は字が多めだわ♪、と思って見てましたが、終わってみれば、模造紙1枚ずつの主題が明確になってて、話の流れを先読みしてたん?と驚きました。
でも、要所要所で対話の流れを整理したり、参加者に向けて疑問を投げかけたりして、対話の大きな流れを作ってたんですね。
これがグラファシのファシ、ファシリテートなのか!と一人興奮してました。
比較的情報量が多いグラフィックなのに、それぞれの紙の主題がパッと見て分かるのは、強調したい部分を描き分けてるからですね。
描きながらどこがポイントになるか分かるってすごいですね。
ポイントが外れるのが不安なので、何となく全部平板=フラットに描きがちなのですが、メリハリが重要ですね。
クロージング
最後のしげっちさんのお話。
・職場や学校に戻っても決して独りじゃない。一人で抱え込まない。同じ思いを持つ人がいる。
・今日話した人と是非つながってチーム作り。
・今日をきっかけにつながり共に行動。それが出来たら最高。
イベントの雰囲気も、このクロージングのメッセージもとても素敵でした。
人見知りだったら5段ぐらいの腕前の私が、会場や後日Facebookで他の参加者やグラフィッカーさんと繋がることが出来たんですから間違いないです(^^;)
圧巻のグラフィック
去年は描き手のグラフィッカーが8人だったのに対して、今年は何と22人!!
しげっちさんの人脈もものすごいですが、これだけグラフィッカーが居てるってこともビックリです。
イベントの最後にギャラリーウォークとして、描かれたグラフィックが一堂に飾られてまさに圧巻。
1セッションで8テーマ、1テーマ2枚だったとしても16枚。それが3セッションあるので、少なく見積もっても48枚。
実際には3枚.4枚,5枚と盛り上がったテーマもあるので、5~60枚はあったんじゃないでしょうか。
対話しながらリアルタイムにグラフィックが描かれる。
描かれたものがまた新たな対話を呼び起こす。
一通り対話した時点でもう目の前に、今さっき対話した内容が描き残されてる。
グラフィックの有用性、醍醐味、可能性を一気に味わえて、しかも山ほどのグラフィックが見れて充実感でいっぱいです。
是非次回も参加したいイベントでした!