人が集まってお話を聞いたり、集まった皆さん同士がお話したり、そんな場面でお声が掛かるグラレコですが、イベントの開催はまだまだ難しいので、描く機会がなかなかありません。
それでも、グラフィッカーの皆さんはオンラインのイベントで描いたり、自らオンラインでイベントを開催して描かれてます。
ああー、オンラインのグラレコって増えてるなあー、
いいなーいいなー、
と思ってたら、何とオンラインで描く機会をいただきました!
定期的に市政報告会でグラレコさせてもらっている、島津さんから「生き博KANSAI」のグラフィッカーを探していると声を掛けてもらい、飛び付きました(^^)
今回は、オンラインイベントで描かせてもらったお話です。
島津さんの市政報告会で描かせてもらった時の記事です。
↓
2020/02/02 しまづはるか市政報告会でグラレコしてきました!
もくじ
「生き博KANSAI」は一週間掛けて10セッションを開催
公式サイトはこちらです。
↓
https://ikikata-kansai.com/
生き博って?
『生き博』はさまざまな 「ライフスタイル」「仕事・活動」「チャレンジ」「経験」をされている方をゲストにお迎えし、これからの「生き方」について考えるトークライブ&対話・交流イベントです。
これまで『生き方見本市』の名称で親しまれてきた当イベント。生き方の「正解」ではなく、さまざまな考え方や取り組み方の一例に過ぎないことをより意識するために、この度『生き博』として生まれ変わりました。
さまざまな「生き方」をしているゲストのみなさんと参加者のみなさんが関わり合い、新しい取り組みや活動が生まれていくとうれしいです。
以前、「生き方見本市」の時にグラフィッカーで声を掛けてもらったのですが、その時は都合が合わなくて参加できずでした。
それがオンラインイベントで参加できるとは。有難いご縁です。
グラフィッカー集合でどうやって描くか会議
4月の初めに声掛けてもらって、程なくZoomでグラレコチームの初顔合わせがありました。
イベントが6月なのに早いなーと思いながら、打ち合わせに参加したらそりゃそうです。
生き博経験者は居るけど、オンラインイベントでのグラレコはやったことの無い人ばかり(^^;)
オフライン=皆さんが一か所に集ってやるイベントなら、経験則から想像できるものの、今回はオンライン。
話し手のコーディネーターとゲスト、聞き手のお客さん、描き手のグラフィッカー、みんなZoom参加で誰も同じ場所に居ません。
オンライン初めてだから、2人ペアで…との案も挙がったものの、どうやってサポートするのよ!?と断念。
模造紙の前に2人が居れば、1人が主に描いて、もう1人はふせんに書いて貼る/色塗りを引き受ける、って分業が出来ますが、それはムリ。
調べたら、オンラインで共有するホワイトボードとか色々ありますが、基本イベントはZoomの中で開催なので外側ではできません。
それに、今回の生き博自体が急遽、オンライン開催に変わって運営は大変です。
本題ではないグラレコで冒険して、何かトラブルを引き起こしたら本末転倒もいいとこです。
と言うことを念頭に置いて「どーやって描いたら良いかねえ」と打ち合わせ。
で・・・
目指すところは「生き方見本市」ならぬ「描き方見本市」。
オンラインなだけに、ツールを揃えるのは難しい。
だったら、各人が出来る手段で描けばいいじゃない。
せっかくの機会なので、やってみたい描き方を極めて、色んな描き方が示せれば、面白いねえ。
と、盛り上がったものの、具体的にどう描くかはまとまらず。
・・・とにかくやってみないと分からない!練習しよう!と、試行錯誤する練習会を定期的にやることにしました。
どんな手段で描けるのか、を探るために、
本番みたいに話し手と描き手を決めて描いてみる。
他の人も描けたら描いて共有しましょう。
そんな感じでスタート。
話し手のテーマは、紹介も兼ねて今回の生き博のセッションの概要。
主の描き手が選んだツールは、Zoomのホワイトボード機能。その他は、Googleスライドでテキスト入力と、iPad。
Zoomのホワイトボードは、Zoomの機能だから使いやすいのは確か。
でも、メモ書きには良いけど、グラレコに適しているか…と言うと応答速度がぬるいので厳しいな…でした。
お話のテーマは、最近やってるコト。
描き手はiPad。
お話の時は
スライドや話し手の顔が見えた方が良い
ので、
画面共有でグラレコがバンと全面に出るのは違うよね
との意見で一致。
控えめにZoomのギャラリーモードの参加者ひと枠で、ニュルニュル描いてる途中経過を見せるくらいがちょうどいいんだろうな、でも小さいからきっと見えないだろうな。
でも、結局そのあたりの
「セッションでどうグラレコを活用したいか」
は、セッションごとに違うよねえ。
グラレコチームでウンウン唸るよりは、セッションのコーディネーターさんと期待値も含めて話した方が良いですな、との結論になり、練習会はここでおしまいにして、担当セッションを決めてそれぞれ相談することとなりました。
初めは模造紙に描いたのを映そうと・・・
思ってました。
オンラインイベントなので「聴く」のがZoom越しになるのは避けられません。
じゃあ、せめて「描く」のはやり慣れた模造紙&プロッキーで・・・と思ってたら、
せっかくの試せる機会なのに、攻めへんの?(挑戦しないのかい?)
と、背中を押す天才であるうちの奥さんが、暗に
何のためにiPad買ったのよ
と背中をグイグイ押してきます。
そうね。せっかく色んな描き方試しましょう、ってイベントなのだから、ここでやらんかったら一生やりませんな。
と、iPadでオンライングラレコに挑戦することに決めました。
とは言いながら、可能性を探る意味で、「スケッチブックに描いて」「スマホを書画カメラ風」にして映す、も試してみました。
せっかくなので、載せときます(;^_^A
スタンド買わないと出来ないかな、と思ってたら、家に3COINSのスマホクリップ式ホルダーが有るのを思い出してやってみました。
↓
https://www.3coins.jp/itemdetail?id=1804_TM1717
自由に曲げられるけど、硬い棒ではないので思った位置で固定するのは難しい。
ちょっと当たると、ボンヨボンヨと揺れるのでピタッと紙全体を入れ込んで静止させるのは至難の業。
あと、画面が紙の方向=真下を向いてるので、画面をタップしてピント合わせが出来ないので、ボンヤリした絵になっちゃいました(T_T)
と言うことで、最終的にはキャプチャーボードを購入して、ipadの画面をZoomの参加者枠に表示する手法に落ち着きました。
その辺の試行錯誤は、こちらの記事をご覧ください。
↓
ZOOMで自分の代わりにグラレコ映してみました!①(GV-USB2でかなり迂回したよ編)
ZOOMで自分の代わりにグラレコ映してみました!②(LetsViewとOBS Studioで無線でやってみた編)
ZOOMで自分の代わりにグラレコ映してみました!③(キャプチャーボード購入したぞ編)
では、私がグラレコを担当した3セッションのご紹介です!
セッション1 ヤングケアラーって何だ?
◾️セッション紹介
https://www.facebook.com/ikihakukansai/posts/1517755591716770
親が急に「障害」を持ったらどうなるだろう。NPOで働きながら親の介護に関わっていた女性の生き方って?みなさんと一緒に対話形式で話を進めていければと思います。
◾️グラフィック
◾️私の感想です
セッションの冒頭にコーディネーターの藤本さんから、今日は
「社会問題としてのヤングケアラーをどう解決していくかを考える」
ではなくて、
「元ヤングケアラーの和田さんのお話を聴いて、自分の中で『問い』を生む」
時間にしてほしい、との説明がありました。
それを受けての自己紹介、用意された質問をテーマにした藤本さんとの対話と進みますが、ゲストの和田さんは終始冷静。
苦労話で参加者の感情を揺さぶるって展開にしてしまうと、どうしても
「これは大変だから、解決せねば」
と自分を外に置いて問題に対峙する姿勢になってしまったと思います。
そうなると、冒頭にお話されたセッションの狙いとズレてしまうので、至って冷静に、起こった事実や感じたことを伝えてもらいました。そうですね。追体験する程の濃さではなく、あくまで共有、って感じでした。
特に印象に残った2点。
一つ目は、退職しないためには
「人に頼ろう」
と思ったものの、
「人に頼ると粗が目につく」
の矛盾する気持ち。
そして、自身で介護していると当然ながら自分の時間がどんどん無くなっていく。
老老介護ももちろん大変ですが、ヤングケアラーはこの先の人生がとても長い。
なのに介護することによって勉強する時間も無くなって、結果的に将来の選択肢を狭めてしまう。
理不尽、って言葉しか浮かびませんでした。
二つ目は、介護をしてたらお母さんに向けて掛けられる
「娘さん生んでて良かったね」
の声。
和田さんのお話の通り、みんな悪気なく言いますね。
むしろ、お母さんをねぎらうと言うか、励ますような意味合いだと思います。
「娘さんが介護している」
じゃなくて
「介護するための娘さん」と多くの人は見てしまうんですね。
私も違和感なく言ってしまうと思ったので、和田さんが言われた「社会に根付いているな」は刺さりました。
セッション7 ○○と書いて、価値と読む
◾️セッション紹介
https://www.facebook.com/ikihakukansai/posts/1528670297291966
生き方に正解はないなんて、頭では理解できても、心では理解できやしない。いつだってみんなが求めているのはお金であり、人気であり、権力であり、輝かしいものばかりじゃないか。生きるうえで切っても切り離せない「価値」について考える、そんな90分。
本セッションはゲスト無し、コーディネーターが対話をしながら議論を深めていきます。参加者のみなさんもセッションを形作る大切な1人。じっくり語り合いたい方におすすめです。
◾️グラフィック
◾️私の感想です
ゲスト無しで、ブレイクアウトルームに飛ばされた参加者がテーマに沿って、ワークをして、全体で共有する、を繰り返すセッションでした。
描き手としては結構キツい構成で、
ワークの間はメインルームに残っていても描くことが無いので基本暇
でした。
コーディネーターのお2人が繰り広げる「耳だけ参加」の方へのトークがラジオ的でかなり面白かったのですが、これは描く予定にしてなかったので、単純にお客さん状態で楽しんでました。
ただ、ワークが終わった後の共有は、各ルームで指名された代表お1人が、こんな意見が出ました!と怒涛のように列挙されるので、手が間に合わない(TT)
もうとにかく
字で書き殴る→次のワークの時間に絵に置き換えられるものは描き直す
を繰り返しました。
ワーク①の許せない・嫌だと感じることは、決めつけや押さえつけの類が多かったですね。
「聞いてもいないのに!」「分かってもないのに!」は確かに自分を否定された気になりますよね。
ワーク②の大切にしていることは、行動とか他人に対してのものが多いかな、と予想してたのですが、結構矢印が自分に向くものが多かったですね。
「相手も自分も否定しない」「自分を許す」「自分と他人をいたずらに比べない」…
結果的にワーク①と②はどちらも「自分」がテーマでしたね。
ワーク③は、セッションタイトルそのもので、何と書いて価値と読むか。
皆さんがチャットに書き込まれた言葉を拾って書き出してみた中では、「居場所」が響きましたね。
居場所そのものに価値があるのか、
価値があるから居場所がある(居場所を持っている)のか、
直感なのでよく分かりませんね(^^;)
セッション10 女の欲張りライフ(結婚・出産・子育て・仕事全部やる?)
◾️セッション紹介
https://www.facebook.com/ikihakukansai/posts/1531694940322835
多種多様な生き方の選択肢ができる現代の女性ならではの生き方の悩みを様々な生き方をしている女性をゲストにお呼びしてお話を伺います。 欲張ったっていいじゃない!なにかを選んで集中してもいいじゃない!みんなで悩みを共有して、みんなでこれからのこと考えましょう!
◾️グラフィック
全部のグラフィックが「セッション”7″」になっているのは、公式サイトの説明を見て疑いなく書いてたからなのですよ( ̄▽ ̄;)
実際は大トリなので、セッション”10″です・・・m(_ _)m
◾️私の感想です
テーマを見て描きたい!と飛びついたら、計らずしも今回の大トリ。
しっかりと打合せ・リハーサルにも参加させてもらって、その中でさんま御殿的にやります、と言われてた通り、トークテーマに対してゲスト3人にそれぞれお話してもらう構成でした。
3人の経歴や今の立ち位置は三者三様で違うんですが、テーマについてのお話を聴いていて共通しているな、と思ったことがありました。
【わたしとあなたの境界線が明確】
ワガママでもなく、我が強い、でもなく、「わたし」という輪郭がハッキリしているな、と。
テーマトークの中では、
「人には期待しない」
「自分が幸せであるためには、どんな状態であれば良いかを俯瞰」
「過去の自分や将来(理想)の自分に縛られず、今の自分を大事に」
どの場面でも、まずは主語を自分にしてどうなのか、を決めるとか考えることで、軸がブレない、自分の足で立つ・歩く、と使い古された表現かも知れませんが、そんな印象を受けました。
【言語化して伝える】
日本人的には「察してよ」とか「みなまで言うな」「野暮」と言いがちなところですが、言わないと「伝わらない」どころか、「そもそもそこに気付いてなかった」ってことも起こります。
テーマトークの中では、
「すごいな、と言葉にする」「お互いにたたえあう」
「ナゼ私がこう思うのか/やって欲しいのか、を伝える」
言語化して伝えなくても不都合がなかったのは、たまたまこれまでが「単一民族」で閉じていたから、だけだと思います。
多様性を認めるとかそんな難しい話じゃなくて、海外だけじゃなく考え方の違う世界・人に触れた人が増えてきている中では、個々人の「当たり前」が違って来ているので、「私はこう思う」と共有した上で「違い」にどう折り合いをつけるか、が大事になってくるのですね。
3セッションを描いてみて
どうなることかと思いましたが、何とか聴こえなくなる/描けなくなる、と言ったトラブルも無く無事に描き切れて安心しました。
コーディネーターとゲストが1対1、
ゲスト無しで参加者のワークと共有、
コーディネーターとゲスト3人のクロストーク、
と担当した3セッションとも構成が違っていて、毎回手探りで変な汗でビッシャビシャになりながら描いてました。
やはりヤングケアラーのように、主の話し手が1人がシンプルですね。
初めてお話聴く方とは言え、90分もあれば話すトーンや話し方とかが分かって来ますからね。
その一方、ワークの結果を参加者の方が共有する、って構成は先ほども書きましたが、初めましての方が立て続けに出てくるので、正直目が回りそうでしたね。
でも、千本ノックを受けたような鍛えられた感がありました。(野球経験ゼロですが)
話し手が3人となるとずっと情報量が多くて、正直途中で頭が煙を出した感がありますね。グラフィック見てもらったらお分かりかと思いますが、後半3枚が色々拾い切れておらず余白が広めになってます。
手が追いつかなかった、よりは聴いた話を映像化する変換が電池切れになったような気がしました。
でも、どのセッションも濃ゆいお話を聴けましたし、やらせてもらって良かったです。
ちなみに、セッション中のギャラリービューではこんな感じに映してました。
さすがに画面が小さくて読めないですが、ニュルニュル感は伝わったかと(^^;)
最終日の女性セッションはこんな感じで描いてました。仕事用に買ったノートパソコンの台がこんなところでも役に立ちました。
最後に当日のグラレコ全部載せ
グラレコチームのMessagerグループで、
各自描いたグラフィックを共有しましょう!
と決めてたので、皆さんが描いた全セッション分を見ました。
見ればみるほど「あーセッション聴きたかったなあ」と思うもの多数。
なので、勝手に生き博のfacebookページに投稿された「セッション紹介」と「グラフィック」を一覧にしてみました。
どこにも許可取ってませんが、公開されてるので大丈夫・・・ですよね(^^;;
表の右端2列にある「■」をクリックするとそれぞれの投稿が開きます。